ネタバレ感想「あの日、車で」(14:30)車内ふたりきりって独特の空気感あるある

車の中で、ふと切なくなる瞬間、ありませんか?色んな人達の色んな会話が集約された、やるせなさすぎて何だか笑ってしまうショートコメディ!

14分30秒/監督:Daniel Lundh

SAMANSA

車内での会話、計6組のお話。
各会話が4段階、順に流れていきます。

どんな関係の2人が、何の会話をしているのか。
途中で「ん…?ちょっと待って…?」という展開ばかりで面白い。

1組目:友人男性
デートした話を聞いていたら、相手がコートを持ってトイレに行ったきり戻ってこなかったことが発覚。現実を受け入れていない友人に言ってやれるのは今自分しか居ない!という状況。
年齢や話し方から想像するに、マッチングサイトで出会った人と会ったけど…という感じなのかな。何回かこういうことがあったのかもしれない。

2組目:噛み合わない男女
そろそろ同居しようと提案。いい感じの曲流してるし、プロポーズかな。女性はそれを断る。「嫌いじゃないむしろ好き」っていうのは…結婚相手としては見てないってことかもしれない。どんどん男性が落ち込んでいっている様子がなんとも言えなく切ない。

3組目:友人中年女性
お互い家族一緒にタイ旅行に行こうと計画している中、片方の女性が「恋をしたから離婚しようと思ってる」と告白。聞かされた方は「いい年して恋なんてできるわけない」と叱るけれど「それはあなたでしょう」と言い返される。お互いに冷水掛け合った車内の空気…それでも一緒に旅行に行くみたいだね…不安しかない。

4組目:母息子
この二人だけ助手席じゃなくて、母親が後部座席にいたのが親子という関係が見えて良かった。わざわざ離れて座っても何も思わない感じ。母子家庭で兄弟もいなさそう。
息子からの恋人ができた報告に喜ぶ母。でも聞いていくうちに、オンラインで出会ったフィリピン女性にお金を騙し取られているとしか思えない状況…これ息子もわかってるんだろうけど受け入れられないんだろうね。初めての彼女だったのかも…その子に渡す金を母親にせびるな~!ため息。

5組目:友人男性
恋人と別れた友人を慰めようとする中で、分かれた彼女とワンナイトラブした過去を告白。そんな奴と別れて正解と言いつつ、許されようとするな~!5年前だし時効だよな?みたいな…彼女を忘れるために一緒にどっか出かけようって提案してたけど、実行されることはないだろう。

6組目:男女友人未満
女性には恋人がいると知っているのに告白する男性。「”友人として”好き」と言っても「好き」だけを拾うし、今付き合っている相手と髪型も目の色も一緒だから同じようなものだろという謎理論出してくるし、話にならなさそうな雰囲気。女性は怒らないけど、それはあまり興味を持ってないし持ってほしくないからなのかもしれない。車から出ていったのは作中で彼女だけ…心の距離感が分かりやすい。

車内での会話というのが想像力を広げてくれます。
独特の距離感、空間でふたりきりというシチュエーションが好きです。
逃げ出したいような空気でもそう簡単にはいかない場所。

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